外資系企業ではクビになる前の儀式(PIP)がある

日本の外資系企業では海外のように「You’re fired!(お前はクビだ!)」と突然言われることはない。アメリカ本社ではマジであった。部署全体がいなくなったこともある。日本では日本の法律に守られているため、そこまではない。

ほとんどの人が知らないと思うけど、日本の外資ではクビにする前にPIPにかけられるのだ。「PIPってなに?」と思ったあなた。私も途中までは知らなかった。

PIPとは「業績改善プログラム(Performance Improvement Program)」の略。詳しくはこちら。

「この人クビにしたいなー」と上司が考えれば、3ヶ月ほどみっちりと仕事内容を監視される。上司と毎朝ミーティングをしたり、週一で2時間ほど上司から業務について細かく聞かれたりする。そして、PIPでも改善しない場合は、その人は人事預かりとなりその後クビになる。

「仕事できない人をクビにできていいやん」と日本の企業に勤めていると思うかもしれないけど、正当ではない理由でPIPにかけらることも多い。

私と同じチームの女性がPIPにかけられたことがある。ヘッドハンティングで来た女性上司との折り合いがめちゃくちゃ悪かった。3ヶ月ほど経った時に、突如としてPIPにかけられたのだ。

PIPをかけるにも理由が必要になる。それが1枚の書類に書かれている。その女性から見せてもらったけど、どれもこれもその女性がやっていない不当な理由ばかりが並べられていた。「これは酷い!」とさすがに私も憤った。

結局、その後彼女は自主退職していった。

PIPだけではなく、突如として異動させられるのは日常茶飯事である。この異動先が信じられないほど酷いチョイスなのだ。もちろん異動させられた人は自主退職する。

日本の企業も仕事ができない人を異動させることがあるけど、それは「窓際」と呼ばれて仕事しなくても良い部署への異動が多い。使えない人だから。

でも外資は違う。その人が絶対に続かないような仕事を与えるのだ。そのため、異動の辞令が出れば「あー、この人に辞めて欲しいんだな」とすぐに全員が理解する。その後、数ヶ月〜1年でほぼ全員が辞めていく。

PIPと異動はマジで死ぬほど見てきた。辞めて欲しい人への対応は本当に酷いと思う。

その人達よりも、もっと仕事ができない人はいるけど、ほとんどが上司の好き嫌いで決められる。外資系だから仕事ができれば評価されると思っているかもしれないけど、そんなことは全然ない。日本の企業よりはまっしってだけ。

今、コロナの影響で外資系企業ではリストラが横行している。リストラすると退職金を上乗せしないといけなくなるので、PIPと異動が以前に増して行われている。自主退職だと退職金上乗せしないでいいもんね。

さすがに「You’re fired!(お前はクビだ!)」は日本ではドラマの中の話だけど、それに近いことは行われているよ、って話です。