私も親の介護を経験している。
どちらかといえば、親が末期がんで闘病していて、介護や看病していた人にぜひ観てほしい映画「怪物はささやく」。
私の母親も入院した時点で「余命2週間」を宣告され、私が会社を休職して介護していた。
ガンは種類によって苦しみ方が違うんだろうけど、抗がん剤治療は回を重ねるごとに、治療がキツくなっていき、子供としては親の苦しむ姿を見ていられなくなる。
治療が進むにつれ、体もボロボロになるけど、心も蝕まれて行くため「せん妄」の症状が出て、辻褄の合わない話をすることも増えていく。
親が苦しむ姿を見るのは本当に辛い。
抗がん剤治療に入る前、私は母に「お母さんが亡くなると、私はひとりぼっちになるから、できれば治療を受けてほしい。でも、決めるのはあくまでお母さんなので、嫌ならやらなくていいよ。」と言っていた。
母は悩んでいたけど「子供のために抗がん剤治療を受けます」と、抗がん剤治療を受けることにはなったけど、本人もここまで辛い治療だとは思ってなかったはず。
結局最後はホスピスに入り、入所後1週間で亡くなった。
亡くなる前の苦しみ方が尋常じゃなかった。
私は泣きながら苦しむ母の手を握っていたけど、何もできない自分が歯痒くて、ずっと「何もできなくてごめんね」と、苦しむ母に言い続けていた。
モルヒネを打っちゃうと亡くなってしまうため、看護師さんに「痛がっているからモルヒネ打ってください」と気軽に頼むこともできない。
モルヒネを打つ=母が亡くなる ということになるため、モルヒネを打つ決断をするのも本当に辛かった。
治療している本人も相当辛いけど、介護している人も相当辛い思いをします。
そんな介護している人の複雑の心境を見事に映像化してくれた映画が「怪物はささやく」だと私は思っている。
この映画は母が亡くなってから数年経ってみたんだけど、観ながら主人公の少年が自分と重なりすぎて号泣した。
ネタバレになるから詳しくは書けないけど、病気で苦しみ続ける人の介護や看病している人の心の中は、とっても複雑なんですよ。
私の周りでは、まだ私のような経験をした人がいないので、この映画の話をしても誰も共感してくれないので、ブログで書いてみました。
少しでも、親を看取った後の苦しみが軽減されることを願っています。