個人事業主や中小企業のお客様の話を聞いていると、チラシやWebサイトを作った際に「デザイナーに騙さた」と感じている人が多い。Webサイトを見せてもらうと、本当にやっつけで作っているデザイナーもいる。弁護士さんに聞いた話だと、Webサイト作成のトラブルで裁判になることも多いそう。
この問題「卵が先かニワトリが先か」によく似てて、お客様の質が下がったからデザイナーの質が下がったとも言える。逆も然り。
DTPやWebデザイナーは資格が必要ないため、基本的に「私はデザイナーです」と言えば誰でもデザイナーになれる。デザイナーには「ここまでの技術や知識があれば、デザイナーです。」という線引きがない。
今なんて「マジでデザイナーかよ」と思う人が、平気でお客様から数万円や数十万円の料金を取っている。技術もない人がデザイナーを名乗って詐欺まがいの仕事をしているのは、私としても本当に残念な気持ちになる。
でも、私の経験上ではお客様も酷い。デザイン案を出したら、デザインだけ盗んで私の会社より安い会社に平気で仕事を回す。「デザイン料金なんて取るの?こんなの詐欺だろ!」と言って、頑としてデザイン料金を払わないお客様もいた。こういうお客様が増えた時期が今から20年前ぐらいにあった。
お客様の質が下がるとデザイナーもやる気をなくす。どんなに良いデザインをしても否定しかされないなら嫌にもなる。なら適当にやってやろうという気持ちになる人だっている。デザイナーも人間だから。
ただ、今のお客様から話を聞く限りでは、酷いデザイナーがちょっと多くなってるなという印象。お客様に言われたことだけやって、後は放置しているデザイナーがたくさんいる。それを仕事してるとは言わない。
お客様の指示に対して、ある程度は提案しながら一緒に良いものを作っていくことがデザイナーの仕事だと私は思ってる。こちらが提案したものを否定されるのは、想定内。それでも良いモノを作るという気持ちをお客様に見せることも大事。それだけでも、お客様のデザイナーへの対応は変わってくる。
残念なデザイナーが増えたのは、残念ですわ。